[Prologue]

[Main story]
・First Impression
・Second Finding
・Playing Tag1
・Playing Tag2
・Playing Tag3
・Playing Tag Epilogue
・a little plots 01
・a little plots 02
・a little plots 03
・Merciful Murder 01
・Merciful Murder 02
・Doppelganger
・姫と王 01

[番外編]
・MerryChristmas[BL]
・相対正義論New
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・First Impression Side-b
・ep01 [BL]
・ep01.Side-b [BL]
・分かたれた家系

相対正義論10

藤城事務所

「また、死体が発見されたようですよ。」
清水が大学ノートをぱらぱらさせ、目的のページを開き藤城に見せる。
「情報元はその町の住人。まあ俗に言うチンピラってやつです。」
普段清潔そうに着こなしている服装のまま情報源の若者たちの中に溶け込める清水のほうが、そういう連中より性質が悪そうだな。そう思いながら藤城は報告を聞く。
「最初の肉団子事件以後、立て続けに血液抜き去り首無し死体事件が起こりましたが犯人はおそらく別でしょうね。今回起こったのは首なし事件が2件目。記念すべき連続殺人事件です。」
「記念すべき…なぁ」
とっぷりと暮れた町、事務所の窓に清水と藤城、2人の影が映る。

「事件は肉団子事件が5月2日、一件目の首なしが5月8日、二件目の首なしが5月13日、つまり一昨日です。僕が事件を知ったのはついさっき、学校が終わった帰りついでに遊んでいた時に友人から聞きました。」

清水が通う大学は、事件現場と事務所の間にある。清水の家がこの近隣であることは確かだが、ときどき手伝いに来るこの青年の住処を突き止めたこと、また突き止めようと思ったことはない。おそらくはあの町の少々外れのほうにある、学生寮にでも住んでいるのだろう。
散歩ついでと言いながら、ぐるりの反対側の名物雷おこしを買ってくる程度の行動範囲の広さを持つ青年のため、定かではないが。
「3つの事件はいずれも深夜に行われたようです。最初の事件と3件目の事件は距離的にとても近い。」

大学ノートに簡略な地図を描き、三つの事件現場を点で示す。
「通常の人間が起こすにしては凄惨で特殊な事件のため術師の仕業を疑いましたが、そういうわけでもなさそうですね。事件現場は霊的にも位置的にもなんの意味もない。」
点を線で結び、歪な三角形を作る。
「興味深い話は、この事件で無くなった3人の被害者が全員同じ不良グループの一員だったということですね。」
「その話、詳しく聞かせてくれ。」

『Writted by ピコリ』